1月7~8日 ロンドン→シカゴ→ラフィエット
1月7日(水)
9時起床。9時40分にホテルを出てオックスフォード・サーカス近くのカフェ・・・というか軽食堂みたいなところで朝食。トースト、ベーコン、卵、コーヒー。朝食後いつものように夫婦別行動。私は引き続き街を歩きながらウィンドウ・ショッピング。マフラーを買った。連日ロンドン市内を歩きまくっていて靴ズレがひどい。
午後1時、チャイナ・タウンの「金龍軒」という店の前で妻と待ち合わせし、飲茶を食す。ニラギョーザとエビギョーザが美味かった。店を出てAlbery Theatreへ。「オペラ座の怪人」、「STOMP」ときて、今日はコメディーを観ることにしたのである。演目は”See You Next Tuesday”。金持ちのパリジャン、ピエールは毎週火曜日になると友人達を集めてディナーパーティーを開いている。このパーティー、いつも「とびきりのバカな変人」を招待し、それを笑いものにしているのだ。そしてピエールが今回見つけた「とびきりのバカ」はマッチ棒を使って模型を作るのが趣味の男なのだが・・・というような話。実はこの話、映画化もされていて(”Le Diner de Cons”, 1997, フランス)、昔レンタルビデオで観て夫婦で爆笑した記憶があったのだ。
英語でコメディーを楽しむのはかなりハードルが高いと思ったが、あらすじを知っていればなんとかなるんではないかと思ったのである。平日のマチネー(お昼の部)なので、観客はほとんど地元のおじいちゃん、おばあちゃん。これまで行った2回のシアターとは全く違った雰囲気でなかなか面白かった。
んがしかし。やはりコメディーは難しかった。細かい言い回しを使ったギャグなどほとんど理解できん。みんな腹を抱えて笑っているのに自分だけ笑えない孤独感・・・。うーん。これではビジネススクールの授業と状況が変わらんぞ。やっぱりもっと英語の勉強しなくちゃなあ、と本筋とまったく関係の無い教訓を得たのであった。公演終了が午後4時。妻は一足先にホテルに戻り、私は引き続き街中を散歩。午後6時にホテルに戻った。
ホテルでしばし休憩の後、夫婦揃って外出。7時にピカデリー・サーカスで、妻が日本にいた頃に働いていた会社の、ヨーロッパ法人で働くウォーレンさんと待ち合わせ。妻と仕事上でお付き合いのあった方で、非常に気のいいブラジル人。私も一度東京で会ったことがある。ウォーレンのよく知っているフレンチ・レストランに連れていってもらい、再会を喜びあう。彼は最近アイルランドに家を買ったそうで、ぜひ一度招待したいと言ってくれた。アイルランドには前々から興味があったので願ったり叶ったり。「絶対に行きます!」と叫ぶ。
午後9時、ウォーレンと別れて徒歩でホテルに戻る。早いものでもう明日にはアメリカに戻ることになる。しかしこの旅行、これでもかというくらいに楽しんだ気がするし、いい加減に帰ったほうがいいかもなあ、などと夫婦で話しつつ荷物をスーツケースにまとめ始めた。
深夜就寝。
1月8日(木)
7時半起床。荷物をまとめて8時半にチェックアウト。昨日まで、いかにもロンドンっぽいどんよりとした曇り空が続いていたものの、雨だけはほとんど降っていなかったのだが、今日は朝からかなり激しい雨。こりゃ空港まで大変だなあと思っていたら、ホテルのコンシェルジュのおじさんが、「うちが契約しているタクシーを使えば、ヒースロー空港まで35ポンドで連れていくよ」とありがたいアドバイス。その申し出ありがたくお受けすることにして、タクシーで直接ヒースローまで約1時間弱。
チェックインに約1時間、その後のセキュリティ・チェックが20分。やはりセキュリティ・チェックはアメリカよりもずいぶん緩い。靴を脱ぐ必要もなかったし。手荷物の中を開けられることもなかった。空港内でロンドン最後の食事は”PRET A MANGER”のサンドイッチになった。ここへ来て「しまった。イギリスに着たのにスコーンを食べてなかった。フィッシュ&チップスを食べてなかった」などと悔やむも後の祭り。まあこれは次に来た時のお楽しみということで。
12時40分ロンドン発。シカゴまでのフライト時間は約8時間半。飛行機内で『ザ・ゴール』を読み継いだり、機内で放映していたデ・ニーロのコメディー『ミート・ザ・ペアレンツ』を観ているうちに(この映画、かなり笑った)けっこうあっさりとシカゴに到着した。到着時刻は午後3時過ぎ。あまりにもあっさりしていて感慨も何も起こらない。入国審査も大きな問題なし。ただし、新年から外国人が入国する際に左右の人差し指の指紋と登録させられ、さらに顔写真をとられる。テロ騒ぎでしかたないこととはいえ、やはり気持ちのいいものではない。外国人という立場というのはつらいもんである。
駐車場に電話を入れて迎えに来てもらう。10日ぶりに再会した我が家のレガシー君は、雪に埋もれていた。というわけでアメリカ最初の仕事は雪かきと相成った。エンジンがちゃんとかかるかやや心配だったが無事一発でかかり、ラフィエットに向けて出発。約2時間のドライブはさすがに疲労困憊であり、最後は危うく眠りに落ちそうになったがなんとか無事に帰宅。
しかしこの10日間、よくもこれだけ遊んだものだと感心するくらいに「妥協なしに」遊んだ気がする。お陰で12日から始まる次の学期も心機一転がんばれそうだ。最後に、この旅行のスケジューリングに航空券やホテルの手配、さらにはコンサートやシアターのチケット手配に至るまで、ほとんどあらゆる準備をしてくれた自称「鉄道部部長」の妻に感謝。あんたは個人の旅行代理店をしても食っていけるで。いやマジで。
(了)