7月25日朝~夕方 パリ
朝9時頃起床。例によって地下の食堂で朝食。クロワッサン、コーヒー、タマゴとハム。フルーツ。部屋に戻ったが、奥さんが「体調がよくないから、午前中は一人で観光してきて」と言われ、大いにうろたえる。おおおおお。つつつついに来るべきときが来た。たたたたた単独行動ではないか。わかった。わかりました。おれもまがりなりにも男だ。たしかにフランス語はあいさつ程度しか喋れん。が、それがどうしたというのだ。行きましょう。行っぢぐる(なぜか「まことちゃん」口調だ)。というわけで奥さんが持っていたカルネ(メトロの回数券みたいなもの)とテレフォンカード(でも使い方が複雑すぎてよくわからない)とを自分の財布に入れ、ホテルを出た。メトロを使ってショセー・ダンタン・ラ・ファイエットという長ったらしい名前の駅へ。
せっかくパリに来たんだからショッピングでもしようかと百貨店「ラ・ファイエット」へ。おお。ということは先ほどのあの長い名前、百貨店の名前から来ているのだな。銀座線「三越前」駅みたいなものか。
さて、この時期パリはちょうどセール中である。が、大した収穫もなく、うろうろと街をさまよう。1時間ほどうろついていただろうか。気がつくとお昼近い時刻。お。こりゃいかん。昼に一度ホテルに帰る約束をしていたのだ。メトロの駅はいったいどこだ。パリ市内の地下鉄の充実ぶりは東京の中心地におけるそれに勝るとも劣らない。そのうち見つかるだろうとタカをくくっていたのが運の尽き。こういうときに限ってまったく、まぁーったく見つからない。焦って通りをくねくね行っているうちに、ますます裏通りへ、小道へと迷い込みはじめ、絶望的な気分になってきた。しかたない。あきらめて地図で調べることにした(最初からそうしろよ)。結局ミロメニルという駅をようやく発見し、そこから地下鉄に乗ってポルト・マイヨーに無事到着。ホテルにたどり着いた。駅探しに40分くらいかけたことになる。なんてことだ。くたくただ。
奥さんの体調が戻ったようだ。30分後今度は二人で外出。タクシーでマドレーヌ寺院まで。事前に日本からインターネットで調べておいた”Marquise de Sevigne”(ほんとはSevigneの二つのeの上にはアクサンテギュ(’)がつく)というチョコレート屋さんに行く。店員は気のいいお兄ちゃん。おみやげ用のチョコレートを慎重に検討し購入。試食もさせてもらう。これがまた美味い!甘ったるいのではないちょうどよい甘さ。であるから後味も抜群である。ちなみにここのチョコレートはインターネットでも購入できます。おいしいよぉぉ。
満足のいく買い物をした後、タクシーを拾ってサンジェルマンへ。散策。2つ3つブティックに立ち寄り、自分のためのシャツを買ったり、友人のための小さなナイロンバッグを買ったりする。昼飯を食べていなかったので、通りにあったスタンドでサンドイッチとビールをテイクアウェイして近くのリュクサンブール公園のベンチで食べる。フランスパンにハムとバターを挟んだだけというシンプルこの上ないサンドイッチなのだが、これが絶品。バターが最高にうまい。うまいじゃねーか、このやろう。平日の午後ということで公園はのんびりとした雰囲気。まことに優雅な昼食である。
腹を満たしたところで再び移動。地下鉄サンプラシド駅からシテ駅へ。ここはセーヌ川をのなかに浮かぶ、いや。たぶん浮かんでないとは思うのだが、まあ中州のようになっているシテ島である。かの有名なノートルダム寺院を見学。ここでノートルダム寺院のガイドブック的知識をおさらいしておこう。この寺院、1163年に工事が始まり完成したのは1345年。フランス・カトリックの総本山にして、ゴシック建築の最高峰と言われるものだそうである。
もう何度も書いているが、とにかくパリの建物はなんでもでかい。これでもかというくらいにでかい。ここも例外ではなく、ステンドグラスも圧巻であった。寺院を出て、隣のカフェで休憩。オレンジジュースを飲む。東洋系(どこだろう?ベトナムの血が入っているのだろうか)とおぼしきフランス人のウェイター。禿げあがった頭にエキゾチックで傲慢そうな顔立ち。姿勢がよくてかっこいい。いやほんとうにカフェで働くウェイターにはいい男が多いのである(決して男色ではない)。
カフェを離れ、セーヌ川を渡って北側にあるマレ地区へ。ここは小さなブティックやら文房具店やらアクセサリー店やらが軒を連ねている。おっしゃれーなところである。ウィンドウ・ショッピングが楽しい。奥さんがシャツを購入。おみやげにポシェットも買う。私はというと、パリに来てからやたらに目に付く「ヘンな日本語Tシャツ」(ほんとによく見かけた。かっちょいい女の子なんかが「紀元二千年」などとプリントされたTシャツを着てるんである)が欲しくて、いろいろな店を探したが結局発見できずじまいであった。