会社を休んでチベットへ行こう (19)

エピローグ

成田エキスプレスを待つ間、とりあえず心配する母に帰国の旨を伝える。続いて携帯電話でメールをチェックしてみると上限の50通を受信。しかし、直後に電池が切れてしまって読むことはできなかった。

疲れ果てて家に着くと、まるで文通でもしているかのように、家主から手紙が届いていた。それによると、僕のゴミ袋に入っていた問題の不燃ゴミとは、森永乳業のヒット商品「マウントレーニエ・カフェラッテ」の容器だとのこと。そこでゴミ袋を開けてその容器を見てみると、確かにそこには「プラ」のマークが付いていた。

以後、僕は一層分別に気を遣うようになった。おかげであれ以来、ゴミのトラブルを引き起こさずに済んでいる。そしてその結果、これからも家主に追い出されることなく無事にこの部屋で起居できそうだ。このワンルームに引き続き住むことの善し悪しは別として。(了)