走らない人が走り始めるとき (8)

足の裏について考える人 (2020年1月)

昨年末のハーフマラソンが無事終わり、ランニングに対するモチベーションは非常に高まっていた。年が明けてから週2、3回のペースで10キロを走るようになっている。走り始めた頃、つまり昨年11月上旬頃は5キロ走ったら息が完全に上がって自宅に戻ったら玄関に座り込んでいたけれど、2ヶ月が経過した今では朝10キロ走ってから出社してもちゃんと仕事ができるんだから人間進歩するもんだ。

12月の合計ランニング距離がハーフマラソンの21キロを含めて99キロと、100キロを僅かに下回っていたので、1月こそは100キロを超えようと年明けから平日2回、週末1回の週3回ペースでせっせと走っていた。しかし1月も半ばを過ぎた頃、どうも足の裏、特に土踏まずの周辺が凝っているような感覚が出てきた。拳で土踏まずをマッサージすると気持ちいい。気持ちいいんだけど、少し痛い。なんだろこの感じ。足つぼマッサージでも行こうかなーと思っていたら、先輩ランナーから「それって足底筋膜炎ではないか」と指摘を受ける。何じゃそれは。そんな炎症があるのか。

しかし考えてみたら当り前のことで、走っていると一歩ごとに足の裏にガンガン衝撃がいく。私の場合だとランニング中の歩幅(ストライド)がだいたい1メートルちょっとなので、10キロ走ると1万回足の裏に衝撃を与えている計算になる。そりゃ炎症にもなるわな。

症状回復のためには休ませるのが一番と言われるが、なにせ今はどうしても走りたい。何か対策は無いものかと調べてみるとランニングシューズの中敷き(インソール)を変えてみるっていう方法があることを見つけた。なるほど。早速近所で中敷きを探してみようと、1月のある週末、自分のシューズを携えて川崎市は溝の口駅前のマルイにあるミズノのショップを訪ねる。お店の兄さんに「ランニング用のインソールが欲しい」と告げると、店の一角にある足の裏を計測する機械に私を誘った。計測器の上に載って2、3分、結果が出る。

それによると私の足は右が27.6センチで左が27.2センチ(これは以前アシックスの店でも計測してもらったので知っていた)。土踏まずが高めで足の裏の他の部分への負担が大きめ。かつ、足の指がどれも地面に接していないため余計に他の部分に負担がいってしまうとのこと。店員さんの勧めのままに「DSISソルボランニングエア」というインソールを自分のシューズに入れてもらい、店内を歩いてみるとたしかにこれはいい。足の裏にシューズがピタッと貼りつく感じ。

「これ、買います」と即決で購入した。溝の口マルイのミズノショップの店員さん、私の持参したシューズがアシックス製であったにもかかわらず、対応がとても丁寧でした。

その日、新しいインソールを入れたシューズで多摩川沿いを10キロ走ってみたら、たしかに効果が出ている気がした。が、炎症が出ているのには変わりは無く、足の裏が痛いのは痛い。やっぱり当面は走る回数を少し抑えたほうがいいようである。周囲から教えてもらった足の裏の筋トレ(!そんなものが世の中にあるなんて全然知らなかった)やストレッチをしっかりやって足の裏を強くしよう。

とはいえ、こんなに足の裏について考えたのは人生でも初めての経験であった。いくつになっても新しい発見ってあるものだ。